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オリエンテーション合宿。
僕は合宿をとても楽しみにしていた。
それは、小学生、中学生の中でやってきた行事なんて一ミリにも及ばないほどのわくわくと期待だった。
しかし、その期待の矢先、事件が起きた。
僕が乗り物酔いをしてしまったのだ。
バスで酔ってしまわぬよう酔い止めの薬を飲んだのにも関わらず、バスに乗るのが久振りだったためか、僕は乗り物酔いをしてしまった。
すごく吐き気がして、頭がズキズキと痛んで、今すぐにでもバスから降りたい気分になる。
隣に座っていた慶は僕のことを心配して、僕の背中をさすってくれたり、先生に僕の体調不良を伝えようとしてくれたり、僕の鞄の中から薬を取り出して渡してくれたり......とにかく、僕のためにいろいろ行動し、優しくしてくれた。
こんなにも優しくしてくれる人は両親と玲以外では初めてだった。
いや、僕の両親もこんなに優しくない。
僕が四十度くらいの熱を出したって、あの両親は構わず仕事に出かけるような人だ。
看病なんてしてくれたことがない。
だから、慶の優しさが本当に嬉しかった。
慶から受け取った薬を飲んだ後、少し慶に甘えて、慶の肩によりかからせてもらった。
頭が痛くて吐き気がするのは変わりないが、慶の肩によりかかると脈拍が早くなった。
なんでこんなにも早くなるのかよくわからなかったが、慶の肩によりかかっていると、安心もした。
そのおかけで、騒がしい車内でも眠ることができた。
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