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合宿からバスが止まっているところまで歩く道のりで、俺はふと蒼を見てみる。
蒼は少し、不安そうな顔をしていた。
...行きのバスでは車酔いをしてたもんな......
その心配をしているのだろう...。
「蒼、酔い止めの薬は飲んだ?」
「うん、一応......でも、行きのときも飲んでたのに酔ってたから不安で...」
「うーん、寝てたら酔わずに済むんじゃない?」
「眠くない」
さすがの蒼でも眠気には限度があるようで、すっぱりとそう言いのけた。
「.........先生の話を聞いてるとき、ずっと寝てたもんな」
「お陰様で眠気吹っ飛んで快調。...これから絶不調になるけど」
「そ、そんなマイナスなこと言うなよ...! 行きは酔ったけど帰りは酔わないかもしれないだろ?」
「う〜ん......酔わなかったら、いいね?」
まるで他人事のように言う蒼に無意識のうちにため息が出る。
...俺は、蒼の表情が好きだ。
基本無表情を崩さないスタイルをしているが、最近になっていろいろな表情を俺に見せてくれるようになった。
蒼のいろいろな表情をもっと見たいと思う。
しかし、行きのバスみたいな辛そうな表情は、見たくない......。
なんとしてでも蒼をバスの中で眠らせ、酔わないようにしなければ...!
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