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気が付くと、僕はベッドの中にいた。
見慣れた天井を見て、ここは自分の部屋だと理解する。
なんで家に...
そう考えたところで、慶と一緒に帰って来たことを思い出した。
帰って来たことをあんまり覚えていないって...余程体調が悪いんだな、自分...。
そんな自分の情けなさにため息が出る。
痛む頭を抑えようと、頭に手をあてると、濡れタオルが額に乗っていることに気付いた。
なんでこんな物が...
「蒼、起きたか?」
「———っ!」
額に乗っているタオルに触れていると、突然慶が僕の顔を覗き込んで来た。
ドキリと高鳴る自分の心臓の音が聞こえた気がした。
「慶...? なんでここに...」
「ここまで連れてきてあげたのに、覚えてないとか酷いな蒼」
「それは覚えてる...けど......その、帰ったんじゃ...?」
「熱で辛そうにしてる蒼を家に一人にして帰れるわけないだろ」
そう言いながら、慶は僕の額に乗ったタオルを手に取ると、床の上に置かれた洗面器の中に入っている水でタオルを濡らし、しっかりと絞ると僕の額にまたタオルを乗せてきた。
冷たくて気持ちがいい。
慶は僕の様子を見ると、安堵した表情に変わった。
優しいその表情に、僕の心拍数は速度を増した。
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