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看病
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次の日。
俺は蒼との約束通り蒼の家へと向かった。
一回行ったから、どの駅で降りればいいかとか、駅降りてからの道のりもわかる。
こういう物覚えだけはいいんだよな。
一人、てこてこ歩きながら蒼の家へ向かう。
蒼の家が見えてきたとき、長身で眼鏡の男が蒼の家から出てくるのが見えた。
...誰だアイツ?
蒼のお父さん...に、しては...若すぎるか...。
兄弟がいるなんてことは聞いてないし...
.........あ、もしかして、
俺がその答えに辿り着いたときには、もうその長身眼鏡は去って行っていた。
...一言くらい挨拶すればよかったかな。
少し反省しながら、俺は蒼の家のチャイムを押す。
数分待つと、蒼の声がインターホンから聞こえてきた。
『玲...? 忘れ物でもしたの...?』
「あ、えーっと、玲? じゃなくて荒木慶です」
『慶...! ドア空いてるから...勝手に入ってきていいよ』
少し息切れしている蒼の声に、熱はまだ酷いのだと悟る。
ドアを開くと、昨日見たのと変わらぬ蒼の家の廊下が広がっていた。
廊下から繋がる部屋の一室から、蒼が出てきた。
多分、その部屋にインターホンの対応する機械があったのだろう。
「来てくれてありがとう...慶」
「蒼...起きて大丈夫なのか?」
「うん、昨日よりは平気になった」
「馬鹿。そうやって油断してると風邪ぶり返すぞ。 早くベッドに横になりなさい」
「ん、わかったよ。 慶お母さん」
「いや、お母さんじゃないからな?」
少し冗談を言ってから笑う蒼を見て、昨日より調子が良くなったのは本当なんだと安心する。
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