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蒼の家のチャイムを押してみると、少ししてから蒼がインターホンに出た。
『慶!?』
インターホンに出た蒼が嬉しそうに発したのは他の男の名前。
"慶"...?
もしかして、前に話してた友達の名前か?
「悪い。 慶じゃないんだ。 玲だ」
『あっ...玲......どうしたの?』
さっきより声のトーンが下がりながら、俺にそう問う。
友達のことが大好きなのはわかるが、地味に傷つくぞ。 蒼。
「ドーナツ買って来たんだ。 たくさんあるから少しお裾分けしようと思ってな」
『ドーナツ......!』
声のトーンがまた上がった。
単純だな。
思わずクスリと笑ってしまった。
『ドア...鍵空いてるから、入っていいよ』
「? ああ」
甘いお菓子を持ってくると、一目散に玄関に来る蒼が来ないことに疑問を感じつつ、蒼の家の中へ入る。
リビングから出てきた蒼はパジャマ姿で、顔を真っ赤にしていた。
「ど、どうしたんだ!?」
「昨日から熱...出ちゃってて...」
「馬鹿! そういう場合はインターホン出なくていいんだよ! 寝てろ!」
「...慶と同じこと言ってる...」
ふふふ、なんて呑気に笑う蒼の肩を引いて、俺は蒼の部屋へ向かった。
「ほら、寝てろ」
「んー...ありがと...」
「ドーナツ、冷蔵庫に勝手に入れておく方がいいか?」
「ドーナツ...食べたい...」
「元気になってからな」
少し不貞腐れたような様子でいる蒼の頭を撫でてやると、蒼は気持ち良さそうに目を瞑った。
猫かお前は。
可愛い蒼に癒された後、俺はドーナツを冷蔵庫に入れたり、濡れタオルを用意して蒼の額に乗せてやったりテキパキとこなした。
ついでに蒼のご飯も作ってやる。
どうせ何も食べていないんだろうなと思ったからだ。
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