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ズボンのポケットに財布が入っていたので、蒼の家に戻らずになんとか自宅に帰ることができた。
家に着いてからも俺は悶々と蒼のことを考えた。
熱の蒼を置いてきて大丈夫だろうか...今更心配になってきた...。
それにしても、あのキスにはどんな意味が...?
友達としての友情のキス?
友達ってキスすんの?
蒼の中では友達とはキスするものなのかもしれない。
...い、いや!そんな馬鹿な!
だって、もしそうだったら逆に今までキスしてこなかったことがおかしくなる!
というか、どこの国の人だよ!!
友達同士でキスするって!!!
「お兄ちゃん? 玄関でうずくまって何してるの?」
「ゆ、結...」
玄関で一人考えていると、俺の妹、荒木 結 (あらき ゆい)が俺の方へとててと駆け寄ってきた。
結は俺の二つ下の中学二年生だ。
長くさらさらした髪の毛を一つにまとめ、シュシュでポニーテールをしていて、俺と同じような肌の色をしていて、まんまるとした瞳をしている。
まあ、うん。可愛い方だと思う。
蒼といい勝負...いや、蒼には負ける、か?
「不細工な顔がより一層不細工になっているよ?」
「お兄ちゃん傷つく」
「傷ついたお兄ちゃんの顔もやっぱり不細工だね!」
素敵な笑顔で暴言を吐き終えると、結は「で、どうかしたの?」と続けた。
お兄ちゃんとしては妹の暴言の方がどうかしてると思うぞ。
「お友達の家に行くんじゃなかったの?」
「行った...行ったよ......」
「帰ってくるの早いね?」
「いろいろ...あってな...」
友達にキスされてびっくりして帰ってきただなんて口が裂けても言えない。
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