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噂 パート1
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「ねぇ、奏ー♪ 元気にしてた?」
「うん。元気にしてたよー...」
今、俺は日高に学校案内をしている。
しかし、さっきからこいつが俺の腕にまとわりついて離れない。しかも、べったりとくっついている。
正直に言うと、こいつうざい。
こうなった原因は遡ること数分前...
「本当に本物の奏?」
「うん。本物ですよ。」
「あの頃と全然変わってないね♪」
「ソッ、ソウカナ...」
はい。今、俺の心にグサッときました。
確かに俺はこいつと一緒にいた時から容姿があまり変わっていない。
ちゃんと成長しているはずなんだけどな...
そんな俺とは違ってこいつは最後にあった時より少し変わっていた。
昔より髪が長くなっているし、背丈も俺と同じくらいまで伸びているし、なんだか体型も細くなっている。
まぁ、3年も経てば誰でも変わるか。
「なんだ、お前ら知り合いか?」
「うん!ボクたち幼なじみなんだ!」
「そうか!なら、成瀬。日高に学校案内をしてやれ!」
「はぁ!?」
なんでそうなるんだよ! 幼なじみは別に関係ないだろ!
「ちょっと先生.......」
キーンコーン カーンコーン
俺の言葉を遮るようにチャイムが鳴った。
「じゃあ、成瀬。よろしくー」
そう言って先生は教室から逃げるように出ていった。
「おい! 待てよ!」
そんな俺の声は先生に届かなかった。
そんな訳で学校案内を任されたのだが、さっきから全然進まない。
もう無理。疲れた。誰かタスケテー。
「あっ!いたー!」
来た...! 救世主が来た...!
知樹がこっちに走ってくる。何か急いでいるみたいだ。
「知樹。どうしたんだ?」
「あのね、奏に用があるんじゃなくて日高くんに用があるんだ!」
「ボクに?」
「えーと、先生が職員室に来てくれって言ってたよ。」
「わかった。じゃあ、行ってくるね!」
そう言ってやっと俺はあいつから開放された。
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