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変わっていない?
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「かーなーたー!」
「ぐぇっ!」
勢い良く走ってきた日高。
その勢いで俺に飛びついてきやがった。
その衝撃で変な叫び声が、出たじゃないかよ.....
「ただいま♪ 」
「おう。おかえり。」
こいつはどこかから帰ってくると必ず「ただいま」を言う。
この癖は変わっていないようだ。
「ねぇ、こいつ誰?」
そう言って知樹に指を指す。
「えっ!僕?」
知らない人や初対面の人には冷たい態度をとる癖も変わっていない。
「僕は原 知樹だよ! ほら、さっき日高くんに知らせに来た...」
「あー! あの時のチビ!」
「チビ!?」
名前がわからないときはその人の見た目で呼ぶ癖も変わっていない。
俺も初めて出会った時に「のっぽー!」って言われた覚えはある。
てか、だいぶ落ち込んでいるな。知樹さん。
1番気にしている身長のことを言われたもんな。
ちなみに、知樹は俺らの学年の男子の中で1番小さい。
もしかしたら、今時の中学生より小さいかもしれない。
「日高。それを言っちゃだめだろ。」
「あっ、ごめん。」
「うん。ぜんぜんだいじょうぶだよー」
だいじょうぶじゃなさそうだけどな。
めっちゃ動揺してるし。
「えっと、日高くん。改めてよろしくね!」
「うん!よろしく。あと、玲緒でいいよー」
「じゃあ、僕も知樹でいいよー」
なんか俺の目の前で似たような感じの2人が会話していると、こっちが微笑ましくなってくる。
俺の見る限り日高は中学の時のまんまだ。
言動も変わっていないしなんとなくあいつの雰囲気も変わっていないと思う。
あいつがそんな事するわけない。とは言いきれないが、していないと思いたい。
なぁ、変わっていないよな?
俺は目の前のあいつに心の中で問いかけた。
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