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謝る
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えーと、なんとか学校案内をし終えて今は帰宅している途中です。
知樹は自転車で登校しているから電車できている俺らとは反対方面なのでこの場にはいません。
日高も電車通学だそうです。
うん。2人っきりとか俺、耐えれるかな。
一応こいつのことは苦手なんだよ。
「ねぇ、奏」
おっ... 早速、話しかけてきた。
なんか悲しそうな顔してんな。
「なんだ。」
「なんであの時、引越ししちゃったの?ボクのせい?」
そう言って今にも泣きそうな顔でこっちを見てくる。
「お前のせいじゃない。」
「ほんと?」
「ほんと。引越ししたのは親が転勤することになったからだ。」
あの時。俺が童貞を奪われた次の日か2日後くらいかな。親の転勤を聞かされたのは。
あまりこいつと話をしないまま。というか何も話さないまま俺は引越しした。
正直、あの出来事は俺にとってショックなことだったから運よく引越しできて良かったのかもしれない。
でも、日高はずっと自分のせいで引越ししたんだと責め続けていたんだなと思う。
あの出来事から逃げたのは俺だけなんだな。
俺、最低な奴だな...
「でも、ごめん...」
そう言って俺は立ち止まる。
「えっ...」
となりで歩いていた日高も立ち止まる。
「何も言わないままどっか行って。ごめん。」
「な、なんで奏が謝るの? 悪いのはボクの方でしょ。」
まぁ、そうかもしれない。いきなり俺の童貞を奪いやがったしな。
でも、何も言わないで逃げた俺も悪いと思う。だから謝る。
「も、もう謝らないで。ほら、やっと奏に会えたし、もう大丈夫だよ!」
「そうか。これからもよろしくな。」
「うん!よろしく。」
笑顔でこっちを見る日高。
うん。やっぱりこいつは笑顔の方がいいや。
この笑顔も昔とあまり変わっていなかった。
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