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ごっこ
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美雨と合流してラーメン屋へと入り醤油ラーメンを注文した。
麺はすごくコシがありとても美味しい。
「すごく美味しいね」
「ですよね!良かった、喜んでもらえて」
「うん。気に入ったよ、ここ」
「本当ですか!?僕もここお気に入りなんです。もし良かったらまた来ませんか?」
「いいよ」
「ありがとうございます!」
柔らかそうなボブヘアーの髪の毛を耳にかける仕草がなんともエロくて思わず魅入ってしまう。
「…………あんまり見ないでください。恥ずかしいです」
あまりにもガン見してしまっていたらしく美雨は頬をピンクに染めながら下を向いた。
「あぁ、ごめん…つい」
「……嬉しい」
「あはは、可愛いね」
俺がそう言うと美雨は頬を膨らませて「もうっ」とか言いながら俺の腕を軽く叩いてきた。
すげーあざとい。でも可愛い。これ、見た目女だけど中身は男だから腹たたないのかもな。正真正銘の女にやられたらゲロ甘すぎて吐き気しそうだ。
「あのさ、美雨って今好きな人とかいるの?」
唐突にそんなことを聞いてみた。
「え、突然どうしたんですか?」
大きな目を更に大きくして驚いている。
「ちょっとね」
「んー…いる、かも」
「嘘、それは叶いそう?」
「……わかんないです」
「あ、じゃぁさ早川って知ってるだろ?」
「え、はい。知ってますけど」
「アイツとかどうよ?」
「あはは、突然どうしたんですか?」
「いやー、イイヤツだろ?って」
「そうですね。すごく優しいです」
美雨はやんわりと微笑んでいる。お、これはもしかしたら脈あるんじゃねぇの?早川くん。
「早川もさ、美雨のこと可愛くていい子だって絶賛してたよ」
「嬉しいです」
「……あー、美味しかった!」
喋りながらもどんどん食べ続けていたせいかいつの間にか全部食べ終わっていた。
食べたらなんか無性に煙草が吸いたくなってきた。
「ここ禁煙かぁ」
「あ、僕も食べ終わったし煙草吸うなら外出ましょうか」
「ありがとう。そうしよう」
二人で席を立ち、会計へと向かおうとした時に美雨が手を繋いできた。
「…これはどういうつもり?」
「……恋人ごっこ」
「ふふっ、ダメだよ。そんなの」
「どうして?」
「ごっこは良くない」
「体はいいのに?」
「それとこれは別だ」
「…………ケチ」
「怒るなって。奢ってやるから」
「……むぅ、わかった。許します」
「可愛いね」
そう言って頭をなでてあげると美雨はそっぽを向きながらスマホをいじりだした。
こんな馬鹿なヤツ恋人になんか絶対にしたくないけどこういう風な付き合いなら楽しいな。
嫌いではない。
そんなことを考えながら二人分の会計を済ませて俺達は外へと出た。
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