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23-1side獅琉
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その日は突然やって来た。
いつものように麗を抱いて目覚め、いつものように麗に見送られて家を出て、いつものように本家で仕事をしていると携帯が柚木からの着信を知らせた。
仕事中に電話...?珍しいな...
咄嗟に浮かぶのは麗の綺麗な笑顔。
まさか、麗に何か...
「なんだ」
スピーカーから聞こえるのは息を切らした柚木の声。
「若...っ!...麗さんが...はぁっ...い、なくて...!!」
「...どういうことだ」
獅琉の《嫌な予感》は不幸にも的中してしまうこととなった。
「すみません...っ、俺がいながら...!屋敷の中は隈なく探しましたがっ、」
「...いないのか」
「はい...っ...麗さんの、部屋に唯一ある窓が開いていて...っ。」
麗が空を見れるようにと部屋に一つだけある窓。しかしその窓は麗が開けて出ていかないようにと麗では決して届かない高さに設置してあった。
更に日光に弱い麗はその窓から光が射し込むのを嫌い、常にカーテンは閉じてあったのだ。
誰かが、麗を誘拐した。
「直ぐに戻る。屋敷の周り、探しておけ」
獅琉は麗がいない、という非日常的な状況の中で意外と冷静な自分に驚いていた。
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