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24-1side麗
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その日麗はいつものようにベッドの上でうさぎのぬいぐるみを抱いてぼんやりしながら獅琉の帰りを待っていた。
「うーちゃん...しー、まだかえってこないかなぁ?...うん?うん...さっき、おでかけしたばっかりだよね...しってるよ...はやく、じかんすすまないかなぁ...」
ヘッドボードに置いてあるデジタル時計とにらめっこしていると、近くからがたがたと音が聞こえてきた。
「...ふぇ?」
聞き慣れない音に顔を上げて周りを見渡すが、部屋の中に変わった様子はない。
麗はぬいぐるみをぎゅっと抱きしめて耳を澄ませた。
がたがたという音はどんどん大きくなる。
「...っ...ユズ...?」
柚木が何かしているのだろうかと名前を呼んでみるが返事はない。
...なに...だれ...??
しばらくするとその音はピタリと止んだ。
気のせい、だったのかなぁ...
麗がホッと肩の力を抜くと突然上から大きな影が降ってきた。
音もなく麗の前に着地したその影は立ち上がり、ゆっくりと麗を振り返る。
「...」
「...っ、」
突然のことで麗は声を発することができないが、《知らない人》であることは理解した。
更にその人は麗を見つめ、呟いた。
「...見つけた」
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