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29-1side獅琉
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麗が東雲組に帰ってきてから2週間。
「しー...」
麗は獅琉の服の裾を掴んで獅琉の背中に顔を押し付けていた。
「麗」
ぴったりとくっついて離れない麗を抱き上げると首に絡みついてくる細くて白い腕。
「しー...しぃ...っ」
獅琉を求めて何度も名前を呼んでくるその姿は可愛いのだが、獅琉は今困り果てていた。
麗の肩の傷も大分良くなり、体調も元に戻ったのだが、あれ以来麗は今まで以上に獅琉から離れたがらなくなった。
既に部屋の窓は撤去されていても、一人で部屋に残されることの恐怖心はなかなか消えないようだ。
先日どうにか麗を宥めて仕事へ出掛けた獅琉だったが、一人で留守番していた麗は獅琉が居ないストレスと恐怖から吐いてしまい、連絡を受けて帰ってきた獅琉をヒヤヒヤさせた。
そんな事もあり獅琉は麗を置いて出掛けることが出来なくなっていた。
「れーい?」
「ん...ぅ?」
名前を呼ぶとなぁに?と嬉しそうに返事をする麗に、このまま麗とずっと一緒でもいいかなと思う反面、組のことを考えるとそういう訳にもいかない。
実際「麗が全快するまでは」と麗が目覚めてからの仕事は全て柚木が代行してくれていた。
このまま柚木に任せっぱなしっていう訳にもいかねぇしなぁ...
腕の中に居る何も知らない無垢なうさぎはキラキラした瞳で見つめてくる。
まぁ、でも...とりあえず麗の傷が塞がるまでもう暫くは、甘やかしてやるか。
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