アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
閑話6-2
-
ばっと振り返ると少し背の高い黒縁眼鏡の彼が腕を掴んでいた。
「...山瀬さん、か...」
びっくりした...!
「僕の気配に少しも気付かなかったの?」
「え...」
何故か山瀬の機嫌は悪いようで、いつも浮かべている笑顔がない。
「来て」
「えっ、ちょ、山瀬さん...!」
理由も言わずにぐんぐん柚木の腕を引いて歩く山瀬。
「乗って」
「なんなんですか...っ、ちょ、あの...!」
無理矢理山瀬の車の後部座席に乗せられ、柚木は溜息を吐く。
休みの筈なのに...よりによってこの人に捕まるなんて...まだ働いてた方がマシだよ...
「僕の家に向かうけど、いいよね?」
「い、いいわけないじゃないですか!」
「ふーん、じゃあそういうことで」
「えっ、どういうことですか?」
「僕の家に向かう」
「どうしてですか!?」
「五月蝿いよ」
そもそもなんでこの人はこんなに機嫌悪いんだよ...!
もー...俺の休日...
20分ほどで車はどこかの駐車場に停まったらしい。
窓の外に見えるのは超高層マンション。
「う、わ...何ここ...」
まさか山瀬さんの家って...いやまさかね...
「下りて」
ぼーっとマンションを眺めているといつの間にか車から下りていた山瀬がドアを開けた。
「...」
待て。俺、ここで下りてのこのこと山瀬さんの部屋に行って大丈夫...なわけないよね...?
「何?歩けないの?」
「え...うわぁっ」
いきなり山瀬に腕を引かれて、車から下ろされて所謂姫抱きにされてしまった柚木。
「もうちょっと色気のある声出せないの?」
「はぁ!?俺は男ですよ!下ろしてください!」
抵抗しようとするが、何故か体に力が入らない。
「あ、れ...?」
どうして...っ
「はいはい、暴れないの」
「下ろしてください!」
「騒ぐと人に見られるよ?」
「う...っ、」
いい歳した男が「お姫様抱っこ」されている姿など見せたいものでもないし見られて気持ちのいいものでもない。
「ん。そのまま部屋まで大人しくしててね」
やばい...本当に貞操の危機じゃないのこれ...っ!!
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
155 / 374