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閑話6-4
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「...さっきから何言ってるの」
「.........へ?」
「ほんとに...放っておけないんだから」
広いベッドにゆっくりと柚木を下ろした山瀬は呆れている。
「まさか僕がゆずくんに手出そうとしてると思った?」
「...っ!」
「ふーん、図星なんだ?」
「だ、って...」
「ゆずくんの中で僕ってどういう立ち位置なわけ?いきなり部屋に連れ込んで犯すような人間だと思ってたの?」
「それはちがいます!」
「...まぁいいよ。それより今は怒らなきゃいけないことがあるから」
柚木の横に腰を下ろした山瀬。これもやはり高級なベッドなのか軋む音すらしない。
山瀬の綺麗な指が伸びてきて柚木の亜麻色の髪に絡む。
咄嗟に目を瞑った柚木の耳に届いたのは、やはり機嫌が悪そうな山瀬の声。
「ゆずくんさ、今体調悪いでしょ」
「...い、え...そんなことないですよ?」
そういえば若にも顔が酷いって言われたなぁ...顔が酷いって...そんなにかなぁ?
自分の顔をぺたぺたと触って確かめているとその手をぐいっと引かれ、山瀬の胸に倒れ込んでしまった。
「う、わぁ...っ、ちょ...」
「僕には嘘つかないで、お願い」
「...山瀬さん?」
頭の上から聞こえてくる山瀬の声は、心做しかどこか震えて聞こえた。
「本当のことを教えて。君が辛いのは...僕も辛い」
「...」
怒ってるんじゃなかったの、とかどうして山瀬さんが苦しそうなの、とか言いたい事は沢山あるけど、余りに山瀬さんが必死だから...
「今朝、熱が...あって...でも解熱剤飲んで熱はもう下がったので平気です」
「だからか...」
「?」
「体に力入んなかったんでしょ?解熱剤なんか飲むからだよ。もう飲んじゃダメだからね」
「え、そうなんですか?」
「そうなの。はー...もういいやお説教は後で。取り敢えず寝て、体調戻して、話はそれから」
抱き締められていた体は離され、山瀬が立ち上がる。
「今着替え持ってくるから。気分は悪くない?」
「は、い...」
ぽかんとしている柚木を見て、何故か山瀬は小さく笑った。
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