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comedy 1
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今日も相も変わらず食堂に騒がしい声が響き渡っている。
言わずもがな遠山と生徒会である。
そして今日も遠山の隣には長山が座っている。
しかし生徒会は長山をいないものとし、遠山が長山に話しかけてもわざと話を振り意識を自分達に向けさせる。
それだけではなくテーブルの下では四方八方から長山の足を蹴りつける。
「ここの料理どれ食ってもメッチャ旨いよな!!」
そう言う遠山の周りはソースやらケチャップやらが飛び散って汚れているし、食べながら話すものだからご飯粒で口の周りは滅茶苦茶だしで、一緒に食事をしていて気持ちの良いものではない。
まして食欲など湧くはずもない。
作った人に謝ってもらいたいくらいだ。
「ほらほら口許に付いてますよ」
そう言いながら柳はナプキンで遠山の口許を拭った。
「ん、へへっ静雅ありがとな!」
「葉瑠夏おいしい?」
「おいしそうだね葉瑠夏」
「「僕達も食べたいよ、あーんってして?」」
「しょうがないな海と彗は!今度からちゃんと自分で頼むんだぞ!ほら口開けろよ!」
遠山が向けたスプーンを宮内双子は順番に自らの口に迎え入れた。
それを他のメンバーが黙って見ているはずもなく。
「海、彗止めなさい。葉瑠夏が穢れます」
「そんな双子にやんなら俺様にしやがれ」
「・・・・おれ・・・・も」
「あー!!わかったって!皆してやるから静かにしろよ!」
嫌々言いながらもその顔はだらしないくらいに崩れている。
まるで喜劇だな
「そうだ、葉瑠夏の好きなクッキーを取り寄せたんですよ。今から生徒会室に来ませんか?」
「マジで!行くっ!太一も行くだろ!」
「俺はいいよ」
「俺が行くんだから太一も行くんだよ!親友なんだから一緒にいなきゃいけないんだぞ!」
遠山を囲みながら歩いていく生徒会の後ろ姿を長山は少し離れた場所から見つめていた。
その姿を苦々しく見ていた者たちは誰も気づくことはない。
眼鏡の奥の瞳が細められたことに。
「太一何してるんだよ!皆の迷惑になるだろ!早く来いよ!」
遠山の自分を呼ぶ馬鹿でかい声に長山はゆったりとした動作で着いていく。
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