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光の先に見たもの 3
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拳が当たる瞬間、ギュと目を瞑った。
しかしいくら待っても衝撃はない。
恐る恐る目を開ける。
そこで見た光景に思わず目を見開いた。
先まで櫻川を痛めつけようと粋がっていたがたいの良い連中が1人残らず地面に突っ伏していた。
そんななか1人だけ立っている人物に櫻川の瞳は釘付けになった。
太陽の光に反射してキラキラ光る真っ黒な髪、透き通るように輝く黒曜石のような瞳。
目を奪われた。
こんな綺麗な人がこの世にいるのかと思った。
下界に降り立った天使。
その天使が自分をとらえた。
ゆっくり歩いてくる。
櫻川は動くことも言葉を発することもできない。
「大丈夫?ダメだよこんなとこにいたら。こいつらが起きる前にどこか行きな」
そう言って立ち去ろうとする。
行ってしまう
思わず手を伸ばしブレザーの裾を掴んだ。
振り返るその人。
「・・・・ぁ・・・・えっと・・・・その」
上手く言葉が出てきてくれない。
情けない
そんな自分にまた泣きたくなった。
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