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隊長トリオ
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ボカッ!
「あだっ!」
副会長親衛隊隊長と名乗った下関が書記親衛隊隊長である栗原に叩かれた。
しかも裏拳で。
下関はあまりの痛さに悶え、それを書記親衛隊隊長の阿南が馬鹿みたいに指を指し笑っている。
三人の関係性が見えたような気がした。
「栗原!あんたなにするの!」
「そこに頭があったので」
「僕の頭を山みたいに言わないで!」
「『そこに頭があったので』・・・スゴいよアヤちゃん名言できちゃった」
「阿南っ!あんたもなに可笑しなこと言ってんの!ねぇそれって天然なの!それとも計算なのっねぇ!」
「え~?柚季分かんな~い」
「計算かっ!この腹黒の策士やろーっ!」
「未来、言葉遣いに気を付けなさい。隊長という立場を自覚して・・・・」
「もともとはあんたの所為だけどねっ!」
まだ続くらしいコントに長山はいい加減飽きてきた。
なんの自慢にもならないが長山太一という人間は元来飽きやすい性質を持っている。
熱しやすく冷めやすい、正に子供そのものだ。
そんな長山がこんな状態を長々と耐えられる筈がない。
帰ろうか、本気でそう思った時、今まで下関をからかい、場を引っ掻き回していた阿南の視線が長山に向けられた。
その瞳は愉快そうに細められている。
長山は長く下ろした前髪の間からそれを認め、若干の苛つきはあったが、面白くなりそうな予感も確かに感じていた。
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