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break time 終了の知らせ 1
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どれくらいの時間そうしてただろう。
もうすぐ物語の佳境に差し掛かる、といったところで外から聞こえてきた馬鹿でかい声に眉をひそめ名残惜しげに本を閉じた。
バアァァァァン!!!
激しく開けられたドア。
姿を見るまでもなく分かりきっている。
「スッゲー!!こんなとこあったんだな!」
「「どー?どー?吃驚した?驚いた?」」
「ここには殆ど人が来ませんから貸切状態ですよ」
「ナニをするにも邪魔されねぇぞ」
「あなた葉瑠夏に何をするつもりなんですか」
「・・・・・・サイテー」
「逃げて葉瑠夏!」
「会長に捕まっちゃうよ!」
「・・・・てめぇら良い度胸じゃねぇか」
幸か不幸か遠山達からは長山の姿は見えていない。
しかしそれも時間の問題だ。
長山はあっさりと終わりをむかえた小休憩に心の中で別れを告げた。
「あーーーー!!!」
響き渡った大きな声。
長山の姿を見つけた遠山はスキップでもしそうな勢いで走ってきた。
信者どもを引き連れて。
「なんで太一がここにいるんだ!」
「あなたこんなとこで何をしているんですか」
遠山が大きな声で問いかける。
いや、むしろそれは問いかけか?
この騒音発生機は疑問符と感嘆符の違いも分からないのか。
一度小学校からやり直すことをオススメする。
柳も柳で自分が何を言っているのか分かっているのだろうか、図書室で本を読む以外何をするというのか、そこのバ会長じゃあるまいし。
長山の手元にある本が見えないのか?しかも今は昼休みで誰がどこで何をしてようと勝手だと思うのだが。こちらは眼科と脳神経外科への受診をオススメする。
今は喜劇を観賞する気分ではなかったんだけどな
長山は心の中で苦笑しつつ、本を読むのに邪魔で上に上げていた前髪を下ろし手櫛で適当に整え、目の前の迷惑な集団に目を向けた。
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