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ー現代ー
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「じゃ、解散!あまり遠くに行くんじゃないぞ」
はぁ、めんどくさっ!
でも、課外授業がある美術は好きだな
適当に描いて後は適当にさぼろっと
ん~、どこにしよう
簡単そうな場所は混み合ってるみたいだし、山の頂上までは行きたくないし
適当に歩いて探す事にしよう
緑の木々の中、何故か引き寄せられるように歩いた
何で?
これ以上遠くに行ったら怒られそうだけど、どうしよう
でも、この先が気になる
もう少し・・・そう、もう少しだけなら
そんな事を考えながら歩き、足を止めた
「桜か・・・綺麗だな」
ん?
誰か居る・・・
こんな場所で何をしているんだろう
桜はまだ三分咲きなのに
引き返そうとした時、風が吹いた
「あっ・・・」
えっ・・・
髪の毛?
すごく綺麗な髪が風に舞った
引き返すはずが足は桜の木の下に向かっていた
やはり誰か居る
誰?
「うわっ!」
しくった!
こんな段差で転ぶなんて
「いてっ!」
いたた・・・ガチで痛い
腕を擦りむいたみたいだ
「大丈夫ですか?」
「・・・・・・・・・・・はい」
「腕に怪我を・・・」
そう言いながら、綺麗なハンカチで結んでくれた
「汚れちゃうよ」
「構いませんよ」
「ありがとう」
その人は、地面に飛び散った絵の具を拾い集めてくれた
「桜の木を?」
「何も決めてないけど・・・この桜にしようかな」
「いいと思いますよ」
と言うか、この人はこんな場所で何をしていたんだろう
「私もこの桜が好きでよく来るんですよ」
「そうなんだ」
「私は和海と申します」
「・・・翔です」
お互いの名前を告げ終わった時、何故か心臓の鼓動が激しく鳴った
変なの
初めて会う人なのにどうかしてるね
「私はここに居ても?」
「いいよ」
「ありがとうございます」
「だって先に来てたのは和海の方だしね・・・ってごめん」
「いえ、和海で構いません」
「俺も翔でいいよ」
「はい」
桜の木の下に座り、空を見上げた
いい天気だな
適当に下絵ぐらいは描いた方がいいよね
でも、腕が痛くて上手く描けない
「う~ん」
「腕が痛いのでしょ?」
「そうかも・・・でも真っ白のままじゃね」
「では、私がお手伝いすると言うのは?」
「えっ?」
「下絵だけならバレないでしょ?」
「そうだけど」
「翔は少し休んでいて下さい」
「うん」
桜の木にもたれながら、和海の横顔を見つめていた
何だか、初めて会った人には思えない
どうしてだろう
でも、今日は暖かいな
何だか眠くなって来た
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