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4th
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翌日。
「ソラ、帰ろ。」
莉音は明らかに不機嫌だった。今も宙の手をガッチリ掴み、引っぱるようにして教室を出ようとしている。
「何、どうしたのリオン!!!痛いよ……」
宙の白い手に莉音の爪が食い込む。一番の友達であった宙でも、莉音がここまでイライラしているのは初めてだ。
宙の言葉に莉音はハッと我に返り、
「ごめん!!」
と言って手の力を弱めたが、手は離そうとはしない。
「どこに行こうとしているの?」
いつもは宙の家までであるはずなのに、明らかに莉音が向かおうとしているのは宙の家ではなかった。
宙は本能的な危険を感じた。
「リオン…………?」
「大丈夫、俺の家に向かってるだけだから。」
「えっ……!」
いつの間にか流れていた脂汗を、宙は止める術を知らなかった。
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