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電話越し3
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バスケ部部長と言っていた。きっとこの前助っ人を頼みに来た彼だろう。紺野は、嫌だと言いつつ受け、来週の土曜日に練習試合をするとか言ってたっけ。
茶碗を食堂に返しに行き、部屋に戻ると、貰ってきたばかりの薬を眉間に皺を寄せながら飲み込む。ベッドに潜り込み、携帯電話を見ると、通知はなし。
「……寝よう」
ため息混じりに言いながら、携帯電話をベッドボードに置き、寝返りを打つ。
さっき紺野は、今日も来ると言っていたけれど、風邪っぴきの部屋に入ってこれるのだろうか。
たしか、寮のきまりで、風邪を引いた者の部屋には誰も入れないと書いてあったはず。
紺野も無理だと知れば、来ないはず……
胸が痛い。いつもと違った痛み。
乳首じゃなくて、心臓が――
これは、きっと風邪を引いている時の独特の寂しさのせい。
そう自分に言い聞かせながら、小さく丸まり眠りに就く。
胸の疼きを、一人でどう処理すればいいの、紺野。
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