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彼の秘密said 高野
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全校の出席確認をする。
欠席12人 公欠4人 遅刻3人
欠席生徒欄には、
御影 遙
と書かれていた。
昨日の男は本当にあいつの兄なのだろうか。
あそこで帰しては行けなかった気がする。
振り向きざまの遙の顔は、「助けて」と口ずさんだようにも見えた。
電話をかけようと彼の家の電話番号を見る。
「ん?」
なぜなのかはわからない。しかし明らかにおかしい。
自宅の電話番号と、家族の携帯番号は必須項目のはず。
他の生徒は全て埋まった状態で提出されているが、遙の場合はそこが空欄だった。
この書類は一度担任が確認する必要のあるもの。
書かれていなければそれに気づいて本人に確認するはずだ。
俺はすぐに保健室を出て、遙の担任のところへ急いだ。
* * *
「あぁ、それでしたら…校長に聞いてください」
「は?、いえこれは担任が確認するものですよ?」
「わたしもそれを見て御影に確認しようとしたんですが、校長が『彼はいいんだ、その項目への記入は必要ない』とおっしゃっていたので。うちの学校は校長の方針で動いていますから、わたしも詳しいことはわからないんです」
「なるほど…。では今日御影が欠席している理由はわかりますか?」
「それも先程確認しようとしたら校長が来て『わたしがやるから必要ない』と言われました。流石にわたしも変だと思っていますが……」
どうやら担任も把握していない点がある、らしい。
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