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屋上
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昼休み。
いつも着込んでいる、このパーカーのお陰で今の時点では血がにじむことはなかった。
しかし傷口が塞がっていないのはわかる。
誰もいない屋上で蹲る。
痛いなんてもうどうでもよくて、はやく…血が止まってほしかった。
そんな中、ガチャッと荒々しく屋上の扉が開かれた音がした。
「っ………」
こんなところを見られたら…
どうしよう。
不安と焦りが一気に募った。
* * *
「遙……」
俺は咄嗟にハシゴから上にあがって、タンクのようなものの後ろに隠れた。
この声………龍之介?
龍之介とはあの時以来。
龍之介の様子がおかしくて…俺に何度も何度も「気持ちよかった?」「嬉しかったんだ?」と言ってきた。
俺は何も聞いてくれない彼に怒りを抱いて、その場を離れたんだっけ。
「いないの、遙」
その声はだんだんと近くなって、ハシゴの前で止まった。
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