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said逸人
一ノ瀬って……
遙が独り言で言っていた気がする。
「とりあえず手当てだ。その後病院だな」
「ぁ、……」
先生がそう言うとすぐに遙がうっすら目を開けた。
なにか言おうとしている。
「びょ、いんは……だめ…………」
病院はだめ。
確実にそう言ったのがわかった。
「ダメだ。病院には連れていく」
「嫌っ……!!」
無理矢理にでも、と言った先生を思い切り突き放す遙。
「手当ては……結構、です…………」
震え混じりに言う遙を真っ直ぐな目で見つめ、決して今の遙を叱らない先生。
あぁ、やはり先生は凄いと思ってしまった。
「遙。そのままじゃお前の体はもたない。病院での療養が必要だ、なんで行きたくないのか言えるか」
少し強引に遙にいわせようとしているようだった。
「やだ。関係、ない……俺…………………………校長、室いく……から…」
校長室…………?
遙の言葉は意味のわからないもの。しかし高野先生は何かを悟ったのか、驚きと怒り混じりの表情をしていた。
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