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聞かせて。
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said逸人
「ねぇ落ち着いて遙、まだ手当てしてないんだから!!」
先生に掴まれた腕を引き離そうとする遙の表情は、『もう限界だ』と訴えているようだ。
高野先生はというと……絶対行かせないように手首を話そうとはしなかった。
「遙、校長との関係は?お前はなんで校長室へ行く?」
校長室に行く理由。
遙は口を閉ざして話そうとはしなかった。
「あの先生。なんで校長が絡んでくるんです?一ノ瀬ってやつだけじゃないんですか」
どうやら龍之介も知らないみたいで。
龍之介が知らないなら俺はもっと知らない。
遙は俺達の知らない秘密をたくさん持っている、そんな気がする。
でもそれを言わないのは、きっと迷惑をかけまいとしてなんだろう。
「答えないか。なら、もっと浅いとこから聞こうか。これ見ろ、名簿。…なんでお前だけ自宅の電話番号やら個人情報が入力されていない?」
「…それは家の事情で…………」
「家の事情でもなんでも入力は必須項目だ。でも担任からも声がかかっていない。調べてみれば校長も何か知っているみたいだな?」
そうだ。たしか4月に必須提出だったはず。
遙は少し間をおいて、
「…………そんなの、...校長に聞いてください」
と泣きそうな顔で言った。
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