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許さない。
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「俺から逃げるなんて、許さないよ遙」
真っ暗な中病室のドアを開けてすぐ、冷たい床に投げ出された。
「いっ……」
背中を思い切り打ち付けて、思わず声が出てしまった。
「探したよ。学校にいると思ったらいつの間にか消えているし。見つけたら病院は知り合いのとこだし。……どこまで俺をバカにしてるんだろうね」
見えなくてもわかる。
今この人は冷えきり、蔑むような目を俺に向けている。
俺がその目に逆らえないことを知ってる。
押し倒され、両脚の間に入り込まれた。
手首も押さえられて動かない。
「逃げられないよ?俺からは絶対に。自分だけ助かろうなんて考えているなら、それは間違いだ。離さない」
グッと顔を近づけてキスをされる。
もう唇の感覚も鈍っていて、舌を入れられるまでは気付かなかった。
「ひっ……んゃ、ぁ」
恐怖と自分への忠告を含めた、生理的な涙が流れて。
喘いでいるのか嗚咽なのかもわからなかった。
首を絞められていて息がしづらい。
「そのいやらしい声も、この淫乱な体も、その涙も全部俺のモノだ。……ここから出るよ。病院には俺から話してあるからね」
目が慣れてもう相手の顔も見える。
「……どういう、こと…」
「……まだわからないの?嫌だなぁ、気が動転しすぎだよ遙。ここは俺のそういう知り合いの病院だからね」
つまりそれは、俺の逃げ道がどこにもないということを意味する。
なんだ、そんなことか。
彼は軽々と俺をおぶって、長い廊下を歩き出した。
「一ノ瀬さん……」
「なにかな」
「勝手にいなくなって……ごめんなさい…」
償わなければいけない。
彼をこんなにした原因は、俺にあるのだから。
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