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嫌な予感。
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ちょくちょく職員が出勤し始め、一ノ瀬達も身動きがとれなさそうな午前8時。
逸人は足早に病室に向かっていた。
高野によれば、疲れも溜まって定期的な注射もあるからこの時間はまだ眠っているはず。
御影遙というネームプレートを見て一応ノックをし、返事のない病室のドアを開けた。
「遙……?」
しかしそこに彼の姿はなかった。
「もしかして検査とかかな……、でも…」
この病院、来る途中にチラッと見たけれど検査中の場合は外に[検査中]という貼り紙を貼るシステムだ。
「貼り紙ないよね、トイレとかかな。ちょっと待つしかないかな」
ベッドの横の椅子に座って、遙の帰りを待った。
◈
いやいや。遅い。
「え、いや、まさかどっかで倒れて…………っあれ…?」
ふと、ベッドに手をついた時に感じた違和感。
「なんで暖かくないの……?いくらなんでも……」
毛布の中は流石に、と思ったがそこも全部冷えきっていた。
そこから人の温もりは一切感じられない。
数時間。
遙がこのベッドから出て、少なくとも数時間だ。
「まさか……っ!!」
頭によぎる、嫌な予感。
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