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快楽。1
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考えて、自分でもわかってきた。
感覚の麻痺。
肌を、肉を切り裂かれているのに。痛みを感じない、むしろ快楽のような感覚に陥る。そうか俺はおかしいのか。もっと激しく、痛くしてほしいのか。
「……いち、のせ…さ、ん」
一ノ瀬さん俺、おかしいんですか?
「……遙は傷つけられるのが好きなの?気持ちいいんだね」
彼は少し驚いたように。そして嬉しそうに呟いた。
「ちがっ……!」
必死に否定しているけれど、体はもっと快感をもとめるのだ。
「そんなモノ欲しそうな顔してよく言うね。大丈夫だよ、誰も見ていないし心配しないで。もっと欲しがったっていい」
さっきも考えていたことをもう一度思い出した。
助けもこない、音も外には聞こえない、ここには二人しかいない。そして俺が快楽を求めているのなら……
最初からなんの問題もないのだ。
ならばもう、とこ呑この人の……玩具になろう。
「どうしたの?急に静かになって」
顔を近づけてきた一ノ瀬さん。その表情は狂気だ。
「一ノ瀬さん……俺も…とっくに狂ってたのかも知れませんね」
吐くようにいえば、一ノ瀬さんはさらに接近して俺にキスをした。
短く。
「そうだね、遙。最初から君は狂っていたよ、気持ち悪いくらいにね」
最初から狂っていた。
そう考えてしまったらもう、今この行為を辞めたところで何にもならない。
辞めたら何かを失うのではないか。そんな錯覚にさえ陥る。
「激しくていい、だから…………俺を壊して…」
結論はこうだ。
もう壊してほしい。体も心も一度壊して、そして一ノ瀬さんの好きなようにすればいい。
「初めからそのつもりだよ、遙」
ニヤリと笑う一ノ瀬さんを、気持ち悪いと思うこともなくなっていた。
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