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二
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「あ、あ……ふ、っう」
空いている左手の人差し指と中指を口に含まれた。
濡れた音を立てながら出し入れされる行為が、右手とリンクして、何だか。
「ん、あ、こっち、なめられてる、みたい」
「こんな見た目で淫乱なんだから、たまらないねお前は」
挿れて。
と言われ舐められた指を後ろに挿入する。
自分の体だから、好い場所は全て分かっている。
一番気持ち良くなれる場所を追い上げて行く。
「う、ぁ、あぁ、イっちゃ……イく」
「駄目だよ」
右手首を掴んで止められ、後ろの指も引き抜かれた。
「なん、で?」
「イくまでしろとは言ってない」
出口を目指した熱が渦巻いて、腰が重い。
それが辛くて生理的な涙が零れた。
そんな俺を見ながら、片岡はゆっくりと自身にゴムを装着する。
「泣くほど欲しいの?これが」
「ほしい……ください」
上目遣いでそこを舐め上げると、再び布団に突き飛ばされた。
膝の裏を持って限界まで足を広げると、一気に入ってくる。
「や、あぁ!んああぁあ!」
追い上げていたせいで、挿入の衝撃で弾けてしまった。
「あ、あ、だめ、うごかな……やぁ!」
「いいね、その顔。素敵だよ、紫苑」
自分がどんな顔をしているかなんて分からないけれど、達した直後の強すぎる快感にまた熱を持つ中心と零れる涙に、余程酷い顔をして居るのだろうと思う。
「や、やめ……あ、あ、い、や……いや」
「嘘は、良くないと言ったよな?」
「だっ、て、むり……こんなっ」
いやいやと頭を振れば、ぱさぱさと寝具に触れる髪の先でさえ快感に繋がって辛い。
「ほら、終わりにしてあげよう」
「あ、ああぁあ!あ、あ……っ!」
鈴口に爪を立てられて、仰け反りながら精を放った。
帯を解いて、覗いた腹筋の割れ目を片岡が指でなぞる。
一回目の行為が終わった後に、腹や背中を撫でるのが好きなようで、いつもそうされるのだが。
「……むず痒い」
「くすぐったいと感じる所は性感帯なんだよ」
「それ、本当ですか?」
「そう言う説が有るよ。お前はしなやかで敏感で、美しいね」
うっとりと陶磁器でも愛でるように触れる。
正直言って、可愛らしくもない俺を抱いて何が楽しいんだろうと常々思って居るから、そんな事を言われると妙な気持ちになる。
「……そうでしょうか?」
「照れているのか?」
「違います」
「そうむくれるな」
笑いながら髪を撫でる手が心地いい。
この人は、いつも一晩買い上げてくれるから、このまま……。
と思って居たのだけれど。
「そうだ、今日はゆっくりとしていられないんだよ」
「え……。」
「また来るから」
「約束、ですよ」
「ああ、もちろん」
着物を羽織って、部屋の外までお送りする。
廊下に竜也兄さんが控えて居た。
指切り、なんて可愛い事をしてみたら、上機嫌に、しかしあっさりと去って行った。
「さて」
次のお客さんが入るかもしれないから、体を洗わなくちゃ。
そう思って居た所に呼びかける声がする。
「紫苑太夫」
「祐樹?入って」
「失礼致します」
襖を開けて、祐樹が入って来る。
「もう、次の方が来てるの?」
「いえ、今夜は片岡様が最後でございます」
「……どういう事だ?」
祐樹の話によると、片岡は帰り際に次の時間の分も買って行ったらしい。
自分が触った直後の俺を誰にも触らせるな、との御達しだそうだ。
全く、あの人らしいと言うか。
「愛されてますね、紫苑太夫」
「こら、大人をからかうんじゃない」
「申し訳ございません」
えへへ、と笑う祐樹の髪をくしゃくしゃに撫でてやって、二人で笑い合う。
今日は久々にゆっくりと眠れそうだ。
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