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紫苑
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「ん、ふ……」
今日は、週に一度の定休日。
俺と絹雲兄さんの、逢瀬の日。
兄さんの部屋に入ってすぐに、壁に押し付けて深く口付けた。
くぐもった漏れる声に気持ちが昂る。
不意に肩を押されて唇が離れた。
「ちょっと、まって」
早くも息が上がって居る。
「嫌だ。待てない」
首筋に吸い付く俺のこめかみに口付けて、兄さんが言った。
「あ……やっぱり、紫苑がいちばんいい匂い……」
誰と比べて?
なんて、聞くだけ野暮だ。
普段着の着流しをはだけさせる。
男に媚びる様な華やかな色合いの仕事着よりも、落ち着いた色のこれの方が彼の艶かしさを際立たせると思う。
「は、ぁ……」
鎖骨から胸へと唇を落とし、突起を口に含んで少しだけ歯を立てる。
敏感な身体はびく、と震えた。
どんなに快楽に溺れても、決して痕は付けない。
これは二人で決めたルールだ。
夢中になって舐めたり摘まんだりしていると、焦れた絹雲兄さんが俺の耳を指でなぞる。
慣らされた身体は少しの刺激にも反応してしまう。
「ん……ずるい」
「俺ばっかりされてるの、嫌」
そう言って、俺の耳朶を甘く噛んだ。
「ちょっと、」
「紫苑、耳弱いよね」
耳元でくすくすと笑われて、体温が上がる。
兄さんの声に弱いんだ、特に今みたいに濡れた声には、とても。
「兄さんだって、胸だけでこんなに濡らして」
そう言って色の濃くなったそこをつつくと恥ずかしそうに身を捩った。
仕事では身に着けない下着を脱がすのは俺の特権だ、とか。
そんな小さな事でいちいち見えない誰かと張り合ってもどうしようも無いけれど。
裏筋を爪で撫でて、先端を指の腹で柔らかく弄ってやれば、堪らないとばかりに声が高くなる。
「あ、あ、そこばっか……」
「好きでしょ?」
「好きだけど……や」
足が震え始めた彼の手を首に回させる。
袂に隠し持って居た潤滑剤でたっぷり濡らした指を後孔に挿れた。
慣れた身体だけれど、無理に押し開かれる辛さを知っているからこそ丁寧に。
ゆっくりと抜き差しして、感じる場所を撫でて、指を増やして溶かして行く。
「も、やだ、やだ……いやぁ、」
舌足らずに駄々をこねるような物言いと俺を煽る表情のギャップが堪らない。
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