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二
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「だめだよ、まだ」
「やだ、はやく」
俺の下着の中に手を入れて、張り詰めたそれを弄ばれた。
「は、そんな、さわっちゃ……」
「だって、しおんが……あ、ぁ、いじわる、するから」
「だめだって」
「じゃあ、はやく。これ、ほしいの……はやく」
とうとう涙を零した。
彼を傷付けたく無いなんて只の言い訳で、本当はこうして求められたいだけなのかもしれない。
「待って、着けなきゃ」
「……ん」
必ずゴムは付ける事。
これも二人のルール。
プロとして、見世の看板を背負って立つ者として、仕事に支障を来す訳には行かないのだ。
いつか、本能のままに互いの身体を貪る様に求める日が来るのだろうか。
片足を抱え上げ、立ったまま腰を進める。
「ああ、あ、」
「そんなに、締めないで」
「むり……!おく、あたって、は、ぁ」
曝け出された首筋に舌を這わせると、そんなはずは無いのに甘い気がした。
「紫苑の初めてを、俺に頂戴」
この関係が始まった時に、兄さんに言われた言葉だ。
抱かれた事は数え切れなくても抱いた事は無い俺の初めてが欲しいと兄さんは微笑んだ。
あの頃は、彼も見えない誰かと戦って居るんだと思っていた。
でも今思えば、見世の人間に咎められた時に自分一人で全部背負う気だったんだろう。
そんな事、絶対にさせないけれど。
「光……」
「あ、」
「今は、おれだけみて」
「奏兄さん、すき、すきだよ」
抱えていた筈の片足は、いつの間にか俺の腰に絡まっていた。
このままずっと兄さんの中に居たいなぁ、なんて気持ちとは裏腹に、一緒に達してしまった。
萎んだそれを引き抜く。
「ひかる、ひかる」
「大丈夫、ここに居るよ、かなで」
譫言の様に俺の名前を呼ぶ彼を掻き抱くと、着流しの背中をぎゅっと掴まれる。
縋るように抱き締められるのが嬉しくて、苦しい。
「俺達、ずっと一緒にいよう?」
「うん、約束」
小指と小指を絡めて誓うこの言葉が永遠なんて思える程、子供じゃ無いけれど。
それでも、少しくらいの夢は見たって許されるだろう。
そのまま二人布団に寝転んで、抱き合って眠った。
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