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最低最悪の日
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俺はとにかくイライラしていた。
なんでそんなにムカついてるかって?
口に出せねーくらいイライラしてんだよ。
茹だる暑さの中、俺は夜の街中を歩いていた。
そんな中何を思ったかストレス発散にカツアゲでもしようかと思ってしまった。
これが最悪の展開を招くとは知らずに─────。
適当に街行くおっさん達を品定めする。
あーアイツはダメだな、気強そう。
お、アイツならいけんじゃね?
目をつけたのはいかにも優男なタイプのおっさんだ。
おっさんというのはもしかしたら少し言い過ぎかもしれないが。
三十路半ばと思われるおっさんが路地に入った瞬間を狙い俺は声をかける。
「ねぇおじさん。ちょーっとお話いーい?」
「は……?」
「黙って金くれたら痛いことはしないからさぁ?」
「いっ、いくらだ、いくら欲しい……」
あぁ、この怯えたような顔、たまんね。
癖になりそうかも。
「んー、あるだけだしてもらおうかなぁ」
「わ、わかった……なーんて言うと思ったかバーカ」
俺の目の前で怯えていたはずのおっさんが侮蔑の目をして俺を睨めつける。
それも、笑みすら浮かべて。
「は?なに、なめてんの?ははっ仕方ねーなぁ。痛い目見てもらおー、かっ」
俺は拳を振りかざす。
しかしその攻撃も虚しく受け止められてしまった。
「……は?なに……?」
腹へと拳を食らわされる。
「かはっ……!」
「俺ね、お前みたいなやつだぁいすき。馬鹿で可愛くて、虐めたくなっちゃうなぁ」
にんまりと不気味な笑顔で俺の頬を撫でる。
なんだこいつ、やべぇ……。
カツアゲなんてやっている場合ではないと悟った俺は大通りへと逃げようとする。
そんな俺の肩を掴みビルの壁へと押し付けるおっさん。
「な、んなんだよ……!」
「なぁに?もう怖いの?カツアゲしといてなんにもお仕置きがないなんて、ねぇ?」
ここじゃ可哀想だから、と呟いて今度はみぞおちを膝で蹴る。
「ぐぁっ!はっ、はぁ、げほげほっ、」
呼吸が苦しい。
生理的な涙が滲み出す。
「ほーら、行くよ」
おっさんに引き摺られるようにして路地を立ち去った。
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