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「……とー!……け…と…!」
そう遠くない場所から俺を呼ぶ複数の声が聞こえる。
逃げなければ捕まってしまう。
しかし、出入口はまもるんによって塞がれている。
絶体絶命と思ったその時だった。
いきなりまもるんが俺の腕を引いて公園の茂みに隠れたのだ。
「まも、むぐっ」
「し、ぃ…」
俺の口を抑えながら自分の口に人差し指を当てて静かに、と言う。
無言で、頷いた俺を確認すると俺の口から手を退かし、公園の出入口のほうをじっと見つめた。
俺もこっそり出入口のほうを見ると、公園に面した道から風紀委員メンバーが歩いてくるのが見えた。
…あの時、そのままつっ立っていたら間違いなく捕獲されていただろう。
みんなが言ったのを確認すると俺達は茂みから這い出し、ベンチに座った。
「まもるん。なんで助けてくれたの?」
「けい、とが、困って、たから…」
聖人君子はここにいた。
「まもるぅぅぅぅん!!」
俺はまもるんに抱きついた。
話に寄ると最初はまもるんも鬼役をやっていたのだが、俺があまりにも大変そう(可哀想)に見えたので自分も逃げる役(俺を助ける役)となったらしい。
それをメールで伝えるといいんちょから
『じゃあ捕まったら護も…ね?』
という意味深なメールが送られてきたらしい
……ちょっと待って
『護も』って!
『も』って!!?
俺もってこと?!?!
俺を捕まえた人が1日俺の事好きにできるんじゃなかったの?!?!
↑もいやだけど!
いやだけども!
いいんちょが考えることはロクなことじゃないんだよぉぉぉぉぉ!!!
「まもるん」
ガシッ
まもるんの手を掴んでまもるんの瞳を見つめる。
……まもるんや、顔を赤くする場面ではないぞい?
「絶対逃げ切ろうね!!」
まもるんは俺の言葉に赤い頬のまま力強く頷いた。
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