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昼、俺の前の席に腰を下ろした拓真と、飯を食おうとしたところで気づく。
「あ、やべ、弁当忘れた」
「はー、どうする?売店いくか?」
今更売店にいっても、何か残っているか正直微妙だ。男子高校生の食欲を舐めてはいけない。売店のパンなんか三限の休みには全部売れていることだってあるのだ。
しかしながらここで昼を抜くのも辛い。
「しゃーない…コンビニいってくるかな」
と腰をあげようとした俺の耳にはいる悲鳴。
どこからって廊下からだ、嫌な予感がする。
「あーきちゃーんっ!!大好きなお兄ちゃんだよ
ー!!お弁当ー!!持ってきたよー!!!」
うさぎのついた、どピンクの弁当入れをぶら下げて、やってきたのはまごうことなき俺の兄。
にこりとエロい顔で笑うと、周りの女子から黄色どころか、俺の弁当入れよろしくピンクの悲鳴があがる。
いやまて、あんな弁当入れ俺は知らない。勝手に何してくれてるんだあいつ。
「お前まじで来てんじゃねぇよ、帰れ。」
「つれないこと言わないでよあきちゃん。せっか
くお兄ちゃんが手作り弁当持ってきてあげたの
にー。」
そういって梓がむすくれると、周りの女子からあがったため息に、おもわず顔が引きつる。
そう本当に腹立つことに、梓は飯をつくるのが上手い。
それだけじゃない。ろくに勉強もしないくせに、頭もいい。運動もできる。
つまり完璧。非の打ち所がない、らしい。
なんで兄弟でこんなに違うのだろうか。
周りからはDNAの神秘兄弟とすら言われている。余計な御世話だ。
食べ物に悪意はないため、うるさい梓を教室から蹴り出して、席に着く。
無駄にラブリーな弁当入れを開いて、これまた可愛らしい弁当箱をあける。
「………………………………」
「うっわぁ………」
中から出てきたのは、某料理サイトもびっくりな、完璧なキャラ弁だった。
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