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憔悴と弁明 1
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どうやって家に帰って来たのか記憶に無い。
さっきまでの雪弥さんとの出来事を思い出すと涙がこみ上げて来るから、ひたすら、何も考えないようにして帰路についた。
なにか考えようとしても、ぐるぐると思考はまとまらなかった。
帰宅してリビングのソファに倒れ込む。
母親から「そこで寝ないで。風邪引くわよ」と注意されて、初めて家に帰ってきた事を自覚した。
母さんは、それでも動く気配を見せない俺を見てため息を一つつくとブランケットを俺に被せて「お風呂、それからベッド、落ち込むならそれからにしない」と言ってリビングを出ていった。
俺は10分ほどブランケットにくるまったけれど、寝れるわけもなく、緩慢な動きでお風呂を目指した。
湯船に浸かると自然と大きなため息が出た。
同時に涙も零れた。
でも、もう、隠さなくていい。
雪弥さん、雪弥さん。
なんで、どうして。
怒ってた。怒らせてしまった。
俺の事嫌いになったの。
ちゃんと雪弥さんに告白したかったのに。
あんな冷たい雪弥さん初めてだった。
こんな終わり嫌だ。
涙は止まることなく、後から後から溢れてきた。
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