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深夜の呼び出し 2
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雪弥さんに住所を伝えると15分くらいで着くと返事があった。
俺は慌ててテロテロの部屋着から普段着に着替えて、バタバタと階段を駆け下りると母親から非難の声を浴びた。
「うわ、最悪だ…」
玄関扉をあけて最初に口に出た言葉はそれだった。
外は雨だった。
いつ降り出した?帰ってきた時は全然そんな感じじゃなかったのに。
髪また爆発するじゃん…。
俺は項垂れて、傘を手に玄関前で雪弥さんの到着を待つ。
まだ到着予定時間まで10分はあるのに、左右をキョロキョロ見てしまう。
あぁ、落ち着かない。
雪弥さん、近くまで来たって言ってたけど、なんだろう。
現場がこの辺りだったとか?
こんな住宅街が現場なんて有り得ないと思うけど…。
かなり遠方の現場で通り道の可能性もあるか。
まさかの連絡に驚きすぎて、全く用件を尋ねなかった。
こんな深夜に、ご飯の誘いってわけでもないよな。
やっぱり先週の事なんだろうか。
メールの返事も結局無かったままだ。
改めて何か言われるのかも。
怒らせちゃったし、よくよく考えたら会うの怖いな。
会いたい気持ちが完全に先走ってしまってた。
まずは謝らなきゃ。
…なんて切り出そう。
また怒らせてしまうかも。
どうしよ、今頃不安になってきた。
うー…でも、それでも、会いたい!
会えないより、ずっといいや。
俺は開き直って、雪弥さんの到着を待った。
しばらくすると、車の稼働音とタイヤが水を撥ねる音が聞こえてくる。
音の方向に顔を向けると、すぐにコチラに向かってくるヘッドライトが視界に入ってきた。
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