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深夜の呼び出し 3
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車は俺の前に停車する。
運転席には当然雪弥さんの姿が玄関先の明かりに照らされている。
少しだけ窓が開いて、雪弥さんの「乗って」という指示に従った。
ドアを開き「失礼します…」と挨拶してから、助手席にそろりと足をかける。
ゆっくり傘を畳んで、身体を車内に差し込んでいく。
雨の匂いに混じりながらも、ほのかに香る雪弥さんの匂いが車内を漂っている。
うう、本当に雪弥さんだ。
当たり前だけど、これが俺の夢や妄想の類では無いってことを改めて突き付けられてる感じだ…。
つまり、俺の都合のいいようには行かないってことだよな…。
乗り込んでシートベルトをした所で、雪弥さんは無言で車を発進させた。
俺の体重を支える高そうな革製シート。
前にこの車に乗った時は、一緒にデートをした時だ。
あの日から、まだそんなに時間は経ってないのに、随分前のことに感じる。
あの時も今も緊張してる事には変わらないけど、緊張の種類が全然違う。
あの時は本当浮かれてたよなぁ…。
そんなことを思い返した。
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