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居酒屋で 1
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「雪弥さん!」
待ち合わせ場所に指定された居酒屋の個室にその人は居た。
上着を店員に預けて、仕切られた空間に入ると、ゆったりとした動作で手招きされ、迎え入れられる。
さっきのラジオでのやり取りが頭をよぎった。
うん、やっぱり。
座ってこっちを見てる。ただそれだけのことなのに、絵になる人だなぁ。
視線が自分の方に向いていると思うだけでドキッとしてしまう。
整った顔は勿論だけど、今日は色素の薄い髪が、居酒屋の暖かいライトに透けていて、より綺麗にみえた。
「やぁ、真都くん」
「すいません、お待たせしちゃって。せっかくこっちからお願いして、お時間作って頂いたのに」
「いいんだよ、全然遅れてないし、仕事だったんでしょ?」
雪弥さんは、のんびりとした口調と笑顔を携えて、「でも我慢出来なかったから、お先に」と、半分ほど減ったビールのグラスを振ってみせる。
その仕草と、わずかに赤みを帯びた肌がとても扇情的に見えた。
その気持ちをぐっと抑えて、冷静につとめて、返事をする。
「なるほど。じゃあ俺も同じものを貰おう」
上着を受け取ってくれた店員に、ビールと若干のツマミをオーダーして、改めて着座した。
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