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先輩とは 1
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「おはようございまーす」
挨拶して事務所の扉を開く。
「お、マナじゃん」
声をかけて来たのは、ともさんだった。
「ともさんも呼び出しですか?お疲れ様です」
「違うよ。たまたま今日の現場が近かったから寄っただけ。お前と一緒にすんなよ」
そこに、マネージャーがやって来て、大荷物を俺の前にドカっと置いた。
「これ、ファンの人からの手紙とか、差し入れ。ちゃんとマメに取りに来なさい」
段ボールふた箱分はありそうだ。
有難いことだけど、これ持って帰れるのか?
「あ、智樹さんの分もあるから、ちょっと待っててくださいね」
マネージャーは俺の困惑もよそに、そう言い残して、その場を去っていく。
「オレのもあるのね」
「ともさん凄く量多そうですよね、ファンの人凄く熱狂的だし」
「いや、そうでもないよ。…ほら、な?」
戻って来たマネージャーの手には小さめの段ボールにひと箱だけだ。
「智樹さんの分はこれです」
「いつもチェックお疲れー」
「いえ、仕事なので」
そう言ってマネージャーは、ともさんに段ボールを手渡す。
「ともさんマメに事務所来てたんですか?」
「いや。ほら、オレのファンって熱狂的つったろ?まさにその通りで、熱狂的が過ぎて、やっちゃいけない贈り物やら、手紙の内容が多いからさ」
俺達への手紙や贈り物は、事務所宛に送られて来たら、全て検閲される。
手紙の内容が誹謗中傷でないか、や。
贈り物が事務所の提示している規定に引っかかるものだったりすると俺たちの元には届かない。
手作りの食べ物だったり、中にはカミソリの刃が入ってることもあるらしい。
そういうものを、全て排除したものが、俺達の元に届くようになっている。
「なるほど、愛され過ぎるのも困りものですね…」
「本当それ」
ともさんは苦笑しながら、受け取った段ボールを紙袋にしまった。
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