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稽古中に 3
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今回の舞台は人気小説が原作の作品だ。
俺達2人の役柄はヒール。
主人公グループに敵対する組織のトップと直属の部下だ。
しかし悪役といっても、小説の時点で、この二人は人気が高いキャラクターでもあり、舞台での出番も多い。
物語上も重要なキャラクターだ。
このキャラクターの人気を壊さないように、しっかり自分の中に取り込めるように、何度も納得が行くまで稽古を繰り返した。
稽古中の雪弥さんは完全に役になりきっていて、まだ舞台用のメイクも、衣装も施されていなくても、そこにそのキャラクターが存在しているように振舞う。
普段のおっとりとした雰囲気やのんびりとした癒し系の喋り方は、最初からなかったように、どこかに消えてしまっていた。
本当に同一人物かを疑ってしまいたくなる。
かっこいい。
その一言に尽きる。
元々整った顔立ちが、一層キリッとして見えて、鋭い眼光がこっちに向けられる度に、ドキッとさせられる。
一挙手一投足のすべての動きにキャラクターとしての無駄がなかった。
早く追いつきたい。
俺がいくら頑張って次の段階に進んでも、当然、雪弥さんもその場に留まることなく、次のステップを登っている感じだ。
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