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千秋楽には 1
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舞台が始まって二週間弱。
濃密な日々だった。
休演日もあったけれど、ラジオの収録や雑誌の取材に時間を取られ、あまりゆっくりとは過ごせなかった。
初日公演から好評だった演技も、更に高めることが出来ていた。
そして、今日が千秋楽。
毎日、毎日、まだ行けると思いながら過ごした日がようやく終わる。
今日悔いを残したら、もう取り返せない。
そう考えると自然と背筋が伸びて肩に力が入る。
リラックス、リラックスしなきゃ。
深呼吸をして、肩にかかっている力を抜いていく。
俺は楽屋で1つ1つの動きを丁寧に復習しながら、今日までの思い出を噛み締めていた。
コンコンと、軽いノック音が聞こえて、返事をすると扉が開く。
「よっ、やってるか?」
ともさんだった。
「本当に来てくれたんですね!」
「あったりまえだろー?!せっかくチケット用意して貰ったんだし!なんか好評みたいじゃん?当日券出ないくらいの人気だって聞いたぜ」
「ありがとうございます!あーでもともさんいるって思うと余計緊張しちゃうな」
「みっともねぇ演技したら許さねぇからな、覚悟決めてやれよ」
ともさんは俺の背中を軽く平手で押すように叩く。
自然と気合いが入った。
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