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ホテルにて 1
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「おい、マナ」
不意に呼ばれて、振り返ると、そこにはともさんが立っていた。
「あ、どうしたんですか?」
「オレそろそろ帰るんだけど、ユキが完全に酔いつぶれて寝ててよー…」
心底面倒くさそうな声色で言うともさん。
「あ、キャストはここのホテルに部屋を取ってあるので…」
「部屋番号わかるか?ついでに、そこに運び込むの手伝ってくれると助かる」
「あ、わかりますよ。さすがに大人一人を、一人では運べないですよね、手伝います」
平静を装いながら、俺は他のメンバーに簡単に挨拶して、雪弥さんの席に戻った。
「雪弥さん、大丈夫ですか?」
「う…ん?まな、と…くん?」
「歩けますか?吐き気とかないですか?」
雪弥さんの瞳は眠そうにゆらゆらと動いて、視点が定まっていない。
その様子ですら、俺には艶かしく感じられる。
「真都くん…どうして、席、移動しちゃったの?」
「え、あ、すいません。呼ばれたので…」
まさかの言葉に、俺はしどろもどろになって答える。
行きましょう、と声をかけて俺は雪弥さんの腰を支えながら立ち上がらせると、ともさんが腕を引っ張りあげて自分の肩にかけた。
「ほら、ユキ行くぞ。ちょっとくらい歩けよ」
ともさんの言葉を合図に、俺たちは雪弥さんの身体を半分引きずるようにラウンジを出て、部屋へと移動した。
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