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ホテルにて 4
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雪弥さんが突然俺の腕を掴んだのは、俺が最後のボタンに手をかけた瞬間だった。
「雪弥さん…?」
「真都くん、キス、しよっか」
俺は固まってしまった。
え、何?
何言ってるの?
雪弥さん?
「な、何言ってるんです、か…」
精一杯、言葉を絞り出す。
「だって、真都くんが行くって言うから、二次会行ったのに、全然僕のとこに居ないから…」
「す、すいません…」
確かに、二次会に行くように誘ったのは俺だった。
やってはいけないことをしたな。
「だから、寂しくて。キスでもしたら、紛れるかなーって。ね、しよ?」
「ともさんが居たじゃないですか。しませんよ」
ゆるやかな雪弥さんの言葉とは対象的に俺は即答した。
許せなかった。
寂しさを紛らわせる為にキスなんて出来るわけない。
だって好きな人なんだ。
さっき自覚したばかりでも、特別な気持ちなんだ。
俺にとっては、特別な出来事になるに決まってるのに。
雪弥さんにとってはそうじゃないなんて、耐えられる気がしない。
俺の気持ちを知らない雪弥さんにぶつけるのは検討違いなのかもしれないけど。
冗談にしては、笑えないよ。
俺は雪弥さんのボタンを最後まで外しきると、上から布団をかける。
「さ、寝てください。俺も部屋にもどります」
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