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夜明け前に 3
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泥酔していた雪弥さんの体調は気になったけれど、こんな早くに起こすのも気が引けた。
何より、少し顔を合わせづらい気もした。
アルコールが抜けた雪弥さんに、昨日の席を離れた件をもう一度突っ込まれたら…
うまく躱せる気がしない。
俺は雪弥さんの部屋のドアは叩くことなく、前を通り過ぎて、エレベーターへ向かった。
朝食用のレストランはロビーの横にあった。
レストランは、まだ人がまばらで、すぐに席に案内された。
朝食はビュッフェ形式ですので、お好きにどうぞ、とホテルマンに言い渡される。
何にしよう。
並んだ食べ物を見て、自分が意外とお腹がすいていることに気付いた。
そういえば昨日は立食パーティーから飲んでばかりで、余り食べ物らしいものを口に運んだ覚えがないな。
俺は並んでいる料理を、気になる物から順番に片っ端から、皿に放り込むことにした。
「朝から凄い量食べるんだね」
俺の皿を見て、声をかけて来たのは、監督だった。
「おはようございます!」
「おはよう、早起きなんて僕みたいな年寄りばかりかと思ったけど、マナ君早いね」
監督は、和食中心のメニュー選びだ。
「いや、年寄りって…監督40代ですよね?充分若いですよ」
「それもそうか。役者達が若いから、つい年寄り気分になっちゃうね」
監督は笑顔を見せてくれて、俺もそれにつられて、笑顔を浮かべる。
「せっかくだし、どうせなら一緒に食事してもいいかな?」
監督の提案に俺は頷いた。
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