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現場では 4
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その後の皆橋さんは、先程とは違って荒削りだけど、確実に役を演じきった。
さっきまでは緊張もあったんだろうな。
周りの声優さん達の空気もすっかり元通りだ。
一通りの収録が終わり、最終チェックを待ちながら、俺は雪弥さんにメールを返す。
『迷惑とか思ってませんから!(^-^)
気にしないでください!
二日酔いはもう大丈夫ですか?
また飲みに行きましょー(>ω<)』
飲み会のくだりを無視することは出来なかったけど、あえて具体的な日時は一切入れずに送信した。
それが俺の精一杯の狡さだった。
「チェックOKです。お疲れ様でしたー」
フロアに響くOKの声に、みんなホッとした表情を浮かべた。
中でも皆橋さんは、伸ばしていた背筋を緩めて安堵したのが背中越しに伝わった。
「良かったね、うまく行って」
後ろから声をかけると、緩んだ背筋がまたピンっと伸びる。
驚かせてしまったようだ。
悪いことしちゃったな。
「あ…真都さん。はい、まだまだ勉強することは多いですけど、何とか頑張れました」
「また、次も宜しくね」
ぺこりと軽く頭を下げる彼女に俺はヒラヒラと手を振って現場を出た。
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