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月を跨いで 2
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雪弥さんとのラジオ収録も近付いていた。
久しぶりに顔を見れる。
声が聞ける。
触れる…ことは叶わないけれど。
平常心でいられるだろうか。
期待と不安でいっぱいになる。
雪弥さんの近況は、相変わらずマメに更新されるブログでチェックしている。
役柄に合わせて、髪型を変えたことも。
最近は、アイスココアにハマっていることも。
稽古が順調で、舞台が近いことも。
全部ブログで知っている。
これじゃまるで普通のファンだな。
1ヶ月経って、繋がりも薄くなって。
少しづつ雪弥さんが遠い存在になって。
雪弥さんの中で、自分の存在が消えていく。
けど。
俺の中の雪弥さんへの気持ちだけは、ちっとも薄まらなくて。
深まって凝縮されて、濃度を増して。
毒のように、俺の中で広がって。
油断していると、俺の中から溢れてしまいそうになる。
こんな時に俺が本当にただの普通のファンだったなら、雪弥さんに「ファンです、好きです!」と気持ちをぶつけられたのに。
どうせ、受け入れられる事がない気持ちなのに。
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