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告白の後で 3
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「おはようございます」
ラジオ局でスタッフさんに挨拶をする。
「おはよう、雪弥くんもう来てるよ」
心臓が跳ねる。
「…あ、そう、ですか。早いですね」
もう来てるんだ。
雪弥さん。
まだ、本番どころか打ち合わせまで、1時間もあるのに…。
「真都くん、おはよ」
姿を見なくても、雪弥さんだと分かった。
「お、おはようございます、雪弥さん」
廊下に据え付けられているソファで、台本を持っている雪弥さん。
それだけで絵になる佇まいで。
久しぶりに会えた、声をちゃんと聞けた。
あんなこと言ってしまったのに。
嬉しいと思ってしまう。
雪弥さんは、俺に隣に座るように言う。
俺は戸惑ったけれど、いつも通りの笑顔から、わずかに覗く鋭い眼光が俺を捉える。
うう、やっぱり怒らせてしまってるのか。
「真都くん、昨日、寝てないでしょ」
「え?あ…」
「駄目だよ、寝ないと。ほら、横になって。時間来たら起こしてあげるから」
雪弥さんは、ぐいと俺の腕を引き倒してソファに寝せる。
頭は、雪弥さんの太ももの上だ。
え?これは、膝枕ってやつー?
「あ、あの雪弥さん、昨日のことって…」
気持ち悪いって思われてるはずなのに。
こんなこと…。
思わず起き上がり、尋ねようとすると、強引にまた頭を押し付けられる。
「普通に接して欲しいんでしょ?その話は後で。時間、作ってくれるよね?」
普段がのんびりにした口調だから、普通の口調が何処と無く威圧的にすら感じる。
俺は従うしかなかった。
「寝れなくても、目を閉じるだけでもいいから。そんなんじゃ、せっかくのラジオ集中出来ないよ」
雪弥さんの声音はいつもより少しだけ低くて、でもそれが目を閉じた俺には心地良く聞こえた。
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