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路地裏で 4
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「狡いかな?」
聞き返してくる雪弥さんに、俺は2度頷く。
「だって、雪弥さんはこんなに酔ってるのに。俺にこんな事するのも気の迷いだって言えちゃうのに」
俺ばっかりが、欲しがっているみたいだ。
「素面の時には確かに出来ないかも。そっか。狡かったね、ごめんね」
雪弥さんは俺を抱き締めて、宥めるように頭を軽く撫でてくる。
「謝らなくていいです…狡くていいから」
もう一回、キスがしたい。
その言葉は声にならなかった。
雪弥さんの服の袖口を掴んで、くいと軽く引っ張ると、雪弥さんは笑顔を浮かべたまま、覆い被さるようにして、もう一度キスをしてくれる。
唇の感触を確かめあって、舌先を弄ばれると、すぐに離されて、耳や首筋にもキスを落とされる。
「ぁっ」
唇を塞がれてないせいで、うまく声を喉元で我慢出来ない。
どうしても漏れてしまう声を抑えようと手を添えると、雪弥さんがそれを邪魔する。
「ダメ。それじゃキス出来ないでしょ?」
「でも…」
「我慢しなくていいよ?」
そんなわけにいかない。
だって、ここで声なんて出して、他の人が来たら…洒落にならない。
俺は首をフルフルと力なく横に動かす。
雪弥さんは、仕方ないか…と残念そうに呟いた。
「じゃあ、塞いどいてあげる」
そう言って、またキス。
先程まで舌先で攻め立てられていた場所には、指があてがわれて、俺の反応を見るようにゆっくりと動かされる。
ぞくぞくする感覚が、背筋を這い上がってキスをしていても、荒い息を漏れさせる。
かろうじて、声は我慢出来たけれど、止めどなく漏れる自分の荒い息が恥ずかしくて、どうしようもない気持ちになった。
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