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帰り道 3
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「あ、その交差点を左折して、奥に行ったところが、俺の家です」
ナビが「付近に着いた所」で、案内を放棄したため、俺が最後の案内人だ。
「ん、了解ー。」
ようやく家の前にたどり着いた。
時刻は1時半を過ぎている。
雪弥さん、家に着くの3時くらいになっちゃうんじゃないかな…。
「今日は本当にありがとうございました。舞台も勉強になったし、誘ってくれて嬉しかったです」
「こちらこそ、真都くんのお陰で渋滞も楽しかったよ、ありがとう」
一度は車外に出るためにドアノブに手をかけたけれど、一旦離して、雪弥さんの方に向き直る。
「なんか、昨日からずっと一緒に居たから離れ難いですね…渋滞とかもあって、予定より長く居られたのに、もっと一緒に居たかったって思っちゃいます」
「真都くん…?」
「あ、勿論帰ります。引き止めるような真似もしません。明日も仕事だし。でも、寂しいなって…すいません、こんなこと言われても雪弥さん困らせるだけですよね」
改めて、ドアノブを引こうと手を伸ばすと、その手を取られる。
「真都くん、そうやって僕を喜ばせて煽るの狡いと思うなぁ…」
雪弥さんはいつもよりわずかに低い声で囁いてからキスをくれる。
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